豪ドル/円相場は、1豪ドル=92~93円水準まで値位置を切り下げる展開になっている。8日の米雇用統計を受けて対米ドルで豪ドル安が進行する中、豪ドル/円相場の地合も悪化している。対米ドルのような急落地合にはないが、再び地合を引き締めているドル/円相場からの支援は弱く、若干ながらコアレンジが切り下がっている。
オーストラリア準備銀行は8日、2014年の豪成長率見通しを2~3%として、8月時点の2.5~3.5%から下方修正した。鉱業分野への投資減少見通しを示しており、バランスのある成長達成のために、豪ドル相場の下落が必要となる可能性も指摘している。特に今後の金融政策について踏み込んだ言及は行われておらず、一連の利下げ効果は今後更に出てくるとの楽観的な見方も示されている。ただそれと同時に、利下げの可能性を排除しないのが適切ともしており、緩和的な金融政策スタンスが再確認されている。もっとも、この辺は5日の金融政策決定会合の議論とも整合性が取れているものであり、改めて豪ドルを売り込むような動きは限定されている。
現在の相場環境では、こうした豪ドルの独自材料よりも、米ドルの動向が注目されている。再びスピルオーバー傾向が強まる中、新興国通貨と同様に資源国通貨も、景気や金融政策環境とかかわりなく、売られるリスクには注意が必要。豪ドル高・円安基調は維持されるとみるも、米ドル高が加速した場合には、短期的には更に豪ドルに調整売りが膨らむ可能性が否定できなくなる。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線(93.44円)、転換線(93.25円)でのサポートに失敗し、雲上限の91.98円で下げ止まるかが試される。その下は雲下限の90.43円と続く。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変わらず。14日RSIは45.51。